― その現象に隠された科学的メカニズム ―
ピラティスをしている最中、途中で「脚や体幹がブルブル震える」あの感覚。
一度は経験したことがあるのではないでしょうか?
ゆっくりとしたティーザー(Teaser)の動きや、長くキープするプランク(Plank)の途中で、
自分の意思とは関係なく筋肉が小刻みに震える。
これは「弱いから」ではなく「成長している証」なんです。
ここでは、その“筋肉の震え”に隠された科学的理由を紐解いていきます。
💡なぜピラティス中に筋肉は震えるのか?
この現象の背景には、
筋肉の疲労、神経系の働き、そして運動単位(motor unit)の切り替えが関係しています。
ピラティスでは、動きを止めずにコントロールしながら筋肉を使い続けるため、
体はより多くの運動単位(=運動神経+筋線維)を動員します。
最初は小さく持久力のある筋線維が働きますが、疲労が溜まってくると、
体はより大きく、パワーのある筋線維を呼び出して動きを維持しようとします。
この「小さい筋肉 → 大きい筋肉」への切り替えが起こる際に、
力の出し方にムラが生まれ、それが震えとして表れるのです。
科学的に説明する5つの理由
① 筋肉の疲労(Muscle Fatigue)
ピラティスは、瞬発的な動きよりも持久力を要するコントロール系エクササイズ。
持久筋(スロー・ツイッチ筋線維)が疲れると、瞬発的な速筋(ファスト・ツイッチ筋線維)が補助的に動員されます。
この切り替えが一時的なアンバランスを生み、筋肉が震えるのです。
② 運動単位の切り替え(Motor Unit Switching)
神経系は、一定の力を保つために運動単位を交代で働かせます。
小さな筋線維群が疲れると、より大きな筋線維群が稼働します。
しかしこの交代はスムーズではなく、“切り替えの瞬間の不安定さ”が震えとして現れます。
③ スタビライザー(安定筋)の疲労
ピラティスでよく使う腹横筋(transversus abdominis)や多裂筋(multifidus)は、
体幹を支える非常に小さな筋肉です。
これらが先に疲労し、身体の安定を支えきれなくなると、
小刻みな震えが起きやすくなります。
特にレッグリフトやサイドライイング(横向きエクササイズ)では顕著です。
④ ケガや痛みの既往がある場合(Post-Injury Effects)
腰痛や頸部のケガを経験した人は、震えを感じやすい傾向があります。
理由は、ケガの周囲の安定筋が弱まっているため。
また、神経系が「正しい安定の取り方」を再学習する過程でも震えが起こります。
⑤ 自律神経の反応(Autonomic Nervous System Activation)
ピラティス中、身体が物理的ストレスを感じると交感神経(いわゆる“戦う・逃げるモード”)が活性化します。
この状態では筋線維の反応が過敏になり、
神経が活発に発火するため、震えが強まることがあります。
特に腰痛や頸部痛のある方が震えやすい理由
- 安定筋の弱化:腹横筋や多裂筋が働きにくくなっている
- 防御反応による筋緊張:脊柱起立筋など大きな筋肉が代償的に働く
- 固有感覚の再教育中:神経が“どのように支えるか”を再び学び直している
この3つの要因が重なり、身体がプルプル震えやすくなるのです。
🧘♀️インストラクターとしてのサポートポイント
- 「震えは悪いことではない」と伝える
→ 成長のサインであり、筋肉が再教育されている証です。 - 必要であれば一旦休む
→ 特にケガや術後の方は、筋肉や神経が過敏になりやすいため、無理せず調整を。 - エクササイズを調整する
→ 可動域・時間・負荷を軽減しても十分効果的。
🗒️まとめ
筋肉が震えるのは「弱さ」ではなく「成長のサイン」
体の中では、筋肉・神経・安定性が見事に再構築されています。
震えを恐れず、むしろ「変化が起きている証拠」として前向きに受け止めましょう✨
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